今回は材質と厚みに焦点を当ててダンボールを安く購入するポイントをご紹介いたします。
フルート (中芯の波形構造) とライナー (表裏の紙質) の組み合わせによって、
強度・耐久性・印刷適性・価格が大きく変わります。
この2つを意識するだけで、オリジナルのオーダーダンボールでも、
価格を安くできることがあります。
「安い・オリジナル (オーダー) 」を実現するためのポイントを解説いたします。
フルート構造の違いと役割―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ダンボールの基本構造は、ライナー+波形中芯+ライナーの三層構造です。
この波形の高さと密度が強度特性を左右します。
■ベーシックは「Aフルート (約5mm) 」
Aフルートは波が高く、空間が大きいのが特徴です。
クッション性と圧縮強度に優れ、衝撃吸収性能が高いため、
家電や陶器などの壊れやすい製品、重量物梱包に向いています。
段積み耐性も比較的高くなります。ただし紙使用量が多くコストは上がります。
■Bフルート (約3mm)
Bフルートは波が細かく、平面強度が高い構造です。
印刷適性が良く、EC発送箱や食品箱、アパレル用途で広く使われています。
Aフルートほどの緩衝性はありませんが、一般流通では十分な強度を持ち、
コストバランスに優れます。

■Eフルート (約1.5mm)
Eフルートは薄型で表面が滑らかです。
美粧性が高く、ブランドパッケージや化粧箱用途に適しています。
軽量化・省スペース化に貢献しますが、
圧縮強度はA・Bより低く、輸送外装には注意が必要です。
■Fフルート (約1.1mm)
Fフルートはさらに薄く、紙器に近い感覚で使用されます。
高級感を重視する小型パッケージに向いていますが、
輸送用強度としては限定的で、内装用途が中心です。

■Wフルート (約8mm)
WフルートはAフルート (約5mm) とBフルート (約3mm) などを組み合わせた二重構造です。
耐圧・耐衝撃性能が非常に高く、重量物や輸出梱包に適します。
ただし材料使用量が増えるためコストは高くなります。

ライナーの違い:C5・K5・K6・K7とは何か―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
フルートと同じくらい重要なのがライナーの強度です。
ライナーは箱の縦圧縮強度や耐破裂強度に直接影響します。
■C5 (標準クラフト)
C5は一般的な標準ライナーです。
古紙含有率はおよそ70~90%と高く、コストパフォーマンスに優れています。
一般流通用途では十分な強度を持ちますが、
湿度や長期保管環境では強度低下が起こりやすい傾向があります。
■K5 (強化クラフト)
K5はC5よりバージンパルプ比率が高く、古紙含有率はやや低めです。
引張強度や耐破裂強度が向上し、重量物や段積み条件が厳しい環境に適します。
価格はC5より10~20%程度高くなることが多いです。
■K6・K7 (高強度クラフト)
K6やK7はさらに強度が高いライナーです。
古紙含有率はさらに低く、バージンパルプ比率が高いことで繊維長が長く、
引張・圧縮強度が向上します。輸出梱包や重機部品など、高荷重用途で採用されます。
ただし当然ながらコストは上昇します。
古紙はリサイクルを重ねると繊維が短くなり、物理強度が低下します。
そのため古紙比率が高いほど環境性は高まりますが、強度は下がる傾向にあります。
用途に応じたバランスが重要です。

強度はどう決まるのか
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
箱の圧縮強度は、フルート構造とライナー強度の組み合わせで決まります。
例えば、Bフルート+C5よりもBフルート+K6の方が縦圧縮強度は高くなります。
また、Bフルート+K5よりもWフルート+C5の方が強度が高くなる場合もあります。
つまり、フルートを上げるか、ライナーを上げるかで強度設計は変わります。
どちらを選ぶかでコスト構造も変わるのです。
過剰設計がコストを押し上げる―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
実務では「念のためW+K7にしておこう」という判断がされることがあります。
しかし内容物が軽量で国内配送のみであれば、B+C5でも十分なケースは少なくありません。
年間5万箱使用する場合、1箱20円の差で年間100万円の差になります。
材質の見直しは最もインパクトの大きいコスト削減策です。
安く購入するための実践アドバイス―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
まず必要なのは、必要圧縮強度を把握することです。
内容物重量、段積み段数、輸送距離、湿度環境を整理し、必要な耐荷重を算出します。
次に、ワンランク下の仕様でも基準を満たすか確認します。
例えばW+K5だけでなく、A+K5やB+K6でも試算してもらうことで最適解が見つかります。
さらに、国内配送と輸出では必要強度が大きく異なります。
国内流通であればC5中心で十分なケースが多く、
輸出用途や長期保管ではK6やK7が適する場合があります。
また、数量をまとめることで単価は下がります。
長期需要を見越したロット設計は大きなコスト削減につながります。
最後に、湿度環境を考慮することも重要です。
高湿度環境では強度が20~40%低下する場合があります。
その場合はライナー強度を上げるか、撥水処理を検討する方が合理的です。
まとめ:過剰なスペックを避けて安くできる材質で発注することをオススメいたします
ダンボール材質は、
フルート構造 (A・B・E・F・W)
ライナー強度 (C5・K5・K6・K7)
古紙含有率
輸送・保管環境
これらの組み合わせで性能が決まります。
重要なのは「最強」ではなく「必要十分」を選ぶことです。
数値に基づく設計を行えば、過剰スペックを避けながら品質を確保できます。
材質理解こそが、最大のコスト削減策です。
ぜひ今回のポイントを参考に
御社にとって最も安いダンボールの購入方法を検討してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事から何かしらのヒントや情報を得てくださり
少しでもお役に立つことができますと幸いです。
お問い合わせやお見積依頼をお待ちしております。





